GA4でコンバージョン率を簡単に分析する方法

Webサイトの成果を最大化するには、コンバージョン率（CVR）の分析が欠かせません。Googleアナリティクス4（GA4）を活用すれば、流入経路別のCVRやユーザーの行動データを詳細に把握し、改善ポイントを特定できます。

本記事では、GA4でコンバージョン率を簡単に分析する方法を解説し、コンバージョンイベントの設定、ファネル分析、A/Bテストの活用法など、実践的なアプローチを紹介します。データを活かしてCVRを向上させたい方は、ぜひ参考にしてください！

GA4でコンバージョン率（CVR）を分析する方法とは？

コンバージョン率（CVR）とは？GA4での定義

コンバージョン率（CVR：Conversion Rate）とは、Webサイトに訪れたユーザーのうち、どの程度が目標とするアクション（購入・問い合わせ・資料請求など）を完了したかを示す指標です。
基本的な計算方法は以下の通りです。

例えば、1,000人が訪問し、そのうち50人が商品を購入した場合、CVRは5.0%となります。

GA4における「コンバージョン」の定義とUA（旧Googleアナリティクス）との違い

従来のGoogleアナリティクス（UA：Universal Analytics）では、「目標（Goal）」としてコンバージョンを設定し、ページビューやイベントベースで計測していました。しかし、GA4では、コンバージョンはイベントベースで計測されます。

UAの場合：特定のURL到達（例：Thank Youページの表示）やカウント条件（例：○秒以上滞在）が目標設定可能
GA4の場合：イベントを設定し、その中で特定のアクション（例：「form_submit」や「purchase」など）をコンバージョンとして計測

この違いにより、GA4ではより柔軟な計測が可能になり、サイトのさまざまなアクションを細かく分析できるようになりました。

GA4でコンバージョン率を確認する方法

GA4では、コンバージョン率を確認するために主に3つの方法があります。

方法①：「コンバージョン」レポートでCVRを確認

このレポートでは、各コンバージョンイベントの発生回数、コンバージョン率、流入経路別のCVRなどが確認できます。

方法②：「エクスプロレーションレポート」で詳細分析

エクスプロレーションレポート を活用すると、より詳細なデータを自由にカスタマイズして分析できます。

エクスプロレーションレポートを活用することで、標準レポートでは見えない「どの要素がCVRに影響を与えているのか」を詳細に分析できます。

方法③：「イベント」レポートを活用したコンバージョンの追跡

GA4では、すべてのユーザーアクションが「イベント」として記録されます。そのため、イベントレポートを活用することで、ユーザーがどのような行動を経てコンバージョンに至るのかを詳細に分析できます。

GA4のイベントレポートを活用することで、「どのユーザーアクションがコンバージョンに結びついているのか」を詳細に追跡し、サイトの改善に役立てることができます。

GA4でコンバージョン率を分析するための設定

コンバージョンイベントの設定方法

GA4では、コンバージョンの計測は「イベント」として扱われます。従来のUA（ユニバーサルアナリティクス）のような「目標設定」ではなく、特定のイベントを「コンバージョン」としてマークすることで計測を行います。以下の手順でコンバージョンイベントを設定しましょう。

GA4でコンバージョンイベントを作成する手順

手順1：GA4の管理画面にアクセス
手順2：左メニューから「管理」 を開き、「イベント」 を選択
手順3：すでに計測されているイベント一覧を確認
手順4：コンバージョンとして計測したいイベントを探し、「コンバージョンとしてマーク」
手順5：新しいイベントを作成する場合
　・「カスタムイベントを作成」 をクリック
　・イベント名（例：「form_submit」「purchase」）を設定
　・トリガーとなる条件を設定（特定のURL到達・ボタンクリックなど）
　・作成したイベントを「コンバージョン」としてマーク
手順6：保存して完了！

主要なコンバージョンの設定

以下のようなコンバージョンイベントを設定することで、サイトの目的に応じた成果を可視化できます。

コンバージョンイベントを適切に設定することで、サイトの成果を正確に計測し、改善ポイントを明確にできます。

コンバージョンファネルの活用方法

ファネル分析とは？

ファネル分析とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでの過程を段階的に可視化し、どこで離脱しているのかを特定するための分析手法です。GA4では、「エクスプロレーション（探索）」機能を使ってカスタムファネルを作成し、ユーザー行動を詳細に追跡できます。

GA4でコンバージョンファネルを作成する手順

手順1：左メニューの「探索」 をクリック
手順2：「ファネルエクスプロレーション」 を選択
手順3：ステップ（例：「商品閲覧」→「カート追加」→「購入完了」）を設定
手順4：ユーザーの進捗や離脱率を確認し、問題点を特定

例えば、ECサイトで以下のようなファネルを作成すると、どのステップで離脱が多いのかが明確になります。

離脱ポイントの特定と改善策の立案

ファネル分析を活用することで、コンバージョンの障害となっているポイントを特定し、改善策を講じることができます。

セグメントを活用してターゲット別のCVRを分析

GA4では、ユーザーを特定の条件で分類（セグメント化）することで、どの層のユーザーがコンバージョンしやすいのか、またはしにくいのかを分析できます。以下のような視点でCVRを比較すると、より精度の高い改善が可能になります。

新規ユーザー vs リピーターのCVR比較

・新規ユーザー → サイトを初めて訪れるユーザーのCVRを測定
・リピーター → 過去に訪問歴のあるユーザーのCVRを測定
・リピーターのCVRが高い場合 → 「リマーケティング施策」や「メルマガ登録」の強化
・新規ユーザーのCVRが低い場合 → 「初回特典」や「価格の分かりやすい表示」を改善

流入元（広告・SEO・SNSなど）別のCVRを測定

GA4では、どの流入経路（オーガニック検索・SNS・広告 など）から訪れたユーザーのCVRが高いのかを確認できます。

デバイス（PC・スマホ）ごとのCVRを比較

GA4では、「デバイス別」のCVRも簡単に分析できます。

PCのCVRが高く、スマホのCVRが低い場合

PCのコンバージョン率（CVR）が高い一方でスマートフォンのCVRが低い場合、スマホ向けの最適化が必要です。まず、スマホ向けのフォーム改善（EFO）を実施し、ユーザーがストレスなく入力できるようにします。

次に、モバイルサイトの表示速度を向上させることで、読み込み時間の遅さによる離脱を防ぎます。

さらに、タップしやすいCTAボタンを設置することで、ユーザーがスムーズにアクションを実行できる環境を整えます。

スマホのCVRが高く、PCのCVRが低い場合

スマートフォンのコンバージョン率（CVR）が高い一方でPCのCVRが低い場合、デスクトップ環境でのユーザー体験を改善する必要があります。まず、PCサイトのデザインを見直すことで、視認性や操作性を向上させ、ユーザーが迷わず目的を達成できるようにします。

さらに、デスクトップ版のCTAの視認性を向上させることで、ユーザーがアクションを起こしやすいレイアウトに調整することが重要です。

デバイスごとのCVRを確認することで、最適なUX改善施策を実施できます。

GA4を活用したコンバージョン率の改善方法

流入元ごとのコンバージョン率を改善する

コンバージョン率を向上させるためには、どの流入元（チャネル）からの訪問者が高CVRなのかを特定し、最適な施策を講じることが重要です。GA4を活用すれば、各流入経路（オーガニック検索・広告・SNS・リファラルなど）のCVRを確認し、効果の高いチャネルを強化し、成果の低いチャネルを改善できます。

GA4で流入元ごとのCVRを分析する方法

以下の手順でGA4を活用してCVR分析が可能です。

効果の高いチャネルを強化する方法

・オーガニック検索（SEO）
CVRが高い場合、検索意図にマッチしたコンテンツを増やし、集客を拡大する

・リスティング広告（Google Ads）
高CVRのキーワードに予算を集中的に投資し、広告のパフォーマンスを最大化する

・SNS（Twitter, Instagram, Facebook）
どの投稿・キャンペーンがCVRを向上させたか分析し、最適な広告クリエイティブを強化する

低CVRのチャネルを最適化する方法

・CVRが低い流入元は、ターゲットを見直す
例：「SNS経由の訪問者は多いがCVRが低い」→適切なCTAを強化する

・ランディングページを最適化し、ユーザーの離脱を防ぐ
例：「広告経由の訪問者がすぐ離脱」→LPのメッセージを流入キーワードに合わせて改善

・リマーケティングを活用し、コンバージョンに結びつける
例：「一度訪問したがCVしなかったユーザーに再アプローチ」

GA4を活用することで、効果の高いチャネルを伸ばし、低いチャネルを最適化する戦略を実行できます。

ユーザー行動を分析し、ボトルネックを特定する

GA4では、ユーザーがどのページで離脱しているのかを把握し、ボトルネックを特定することができます。特に、ヒートマップツールやセッション録画ツールと組み合わせることで、より詳細な行動分析が可能です。

ヒートマップを活用した分析

GA4単体ではページ内での具体的な動きはわかりにくいため、ヒートマップツール（Hotjar、Crazy Egg、Mouseflow など）を活用すると、以下のような分析が可能になります。

これにより、CTAの最適な配置や、コンテンツの改善ポイントを明確にできます。

離脱率が高いページの改善策

・CTAの配置を見直し、クリック率を向上
例：「スクロールしないとCTAが見えない」→ファーストビューにCTAを追加

・ページの読み込み速度を改善し、離脱を防ぐ
例：「表示速度が遅いと離脱率が高まる」→画像圧縮や不要なスクリプト削除

・ユーザーの期待に合ったコンテンツを提供
例：「検索意図とLPの内容がズレている」→ターゲットに合わせたテキスト・ビジュアルを変更

GA4とヒートマップツールを組み合わせることで、ユーザー行動を詳細に把握し、効果的な改善施策を実施できます。

A/Bテストを活用してコンバージョン率を最適化

GA4のデータをもとに、A/Bテストを実施することで、最適なデザインやコンテンツを特定し、コンバージョン率を最大化できます。

A/Bテストで検証すべき要素

・CTA（ボタンの文言・色・配置）
例：「今すぐ購入」 vs 「限定割引で購入」

・ランディングページのヘッドライン
例：「あなたに最適な商品はこちら！」 vs 「今なら初回30%オフ」

・フォームの入力項目
例：「メールアドレスのみ」 vs 「氏名・電話番号・メールアドレス」

GA4でA/Bテストを分析する方法

1. Google Optimizeを使ってA/Bテストを実施
Google OptimizeをGA4と連携し、異なるバージョンのページを配信

2. GA4の「イベント」レポートでテスト結果を分析
A/Bテストで設定した「コンバージョンイベント」の達成率を比較

3. 成果の高いバージョンを適用
CVRが高かったパターンを本番ページとして採用

GA4のデータを活用することで、テストの結果を正確に分析し、最適な改善施策を実装できます。

GA4でのコンバージョン率分析を効率化するコツ

Googleタグマネージャー（GTM）を活用して計測設定を簡単に

GA4でのコンバージョン率（CVR）分析を効率化するために、Googleタグマネージャー（GTM）を活用すると、コンバージョンイベントの設定や変更が簡単になります。GTMを使うことで、コードの編集なしで計測タグを管理できるため、開発チームに依存せずに迅速な設定・調整が可能です。

GTMを活用したコンバージョンイベントの設定方法

1.GTMのコンテナを作成し、サイトにタグを設置
・GTMのアカウントを作成し、コンテナを作成
・GTMのスクリプトをサイトのheadタグ内に設置

2.新しいコンバージョンイベントを設定
・GTMの「タグ」メニューで「新しいタグ」を作成
・「タグの設定」から「Google アナリティクス：GA4イベント」を選択
・イベント名（例：purchase、contact_submit など）を指定し、GA4に送信

3.トリガーを設定し、計測開始
・「トリガーの設定」で、特定のボタンのクリックやフォーム送信を検出
・「プレビュー」モードで動作確認後、公開してGA4と連携

GTMを活用すれば、GA4の設定をスムーズに行い、コンバージョンデータをより正確に取得できます。

BigQueryと連携して高度なCVR分析を行う

GA4では標準のレポート機能だけでなく、BigQueryと連携することで、より詳細なコンバージョン分析が可能になります。BigQueryはGoogle Cloudのデータウェアハウスであり、大量のデータを処理し、柔軟な分析を実施できます。

GA4のデータをBigQueryにエクスポートする方法

1. Google Cloud Platform（GCP）でBigQueryのプロジェクトを作成
・GCPにログインし、新しいプロジェクトを作成
・BigQuery APIを有効化

2. GA4とBigQueryを連携
・GA4の「管理」 → 「BigQueryリンク」からBigQueryを選択
・データセットを指定し、エクスポートを設定

3. BigQueryのSQLを活用し、詳細なCVR分析
・ユーザーごとの行動データを集計し、特定の流入元のCVRを分析
・フィルター機能を活用し、リピーターと新規ユーザーのCVRを比較
・直帰したユーザーとCVしたユーザーの行動パターンを分析

GA4のデータをBigQueryに連携すれば、サイトの課題をより深く理解し、精度の高い改善施策を立案できます。

GA4の「予測指標」を活用して将来のCVRを予測する

GA4では、Googleの機械学習機能を活用した「予測指標（Predictive Metrics）」が利用できます。この機能を使えば、将来のコンバージョン率（CVR）を予測し、より戦略的なマーケティング施策を立案できます。

GA4の予測指標とは？

GA4には、以下のような予測指標が用意されています。

・購入の可能性（Purchase Probability）
過去28日間にアクティブだったユーザーが、今後7日間以内に購入する確率

・離脱の可能性（Churn Probability）
過去28日間にアクティブだったユーザーが、今後7日間以内にサイトに戻ってこない確率

・収益予測（Predicted Revenue）
今後28日間の予測収益

予測指標を活用したCVR改善施策

・購入の可能性が高いユーザーに特化した広告施策
GA4の予測セグメントを作成し、Google広告やSNS広告でターゲティング

・離脱の可能性が高いユーザーへのリマーケティング
サイトに再訪問を促すメール施策やクーポン配布を実施

・高CVRが見込めるターゲット層へのコンテンツ最適化
予測データを基に、特定のターゲット向けにLPのカスタマイズを実施

GA4の予測指標を活用すれば、データに基づいた戦略的なアクションを実行でき、コンバージョン率を継続的に改善できます。

まとめ

GA4でコンバージョン率（CVR）を分析するには、適切なデータの取得と効果的な分析手法が重要です。GA4の「コンバージョン」レポートや「エクスプロレーションレポート」を活用すれば、コンバージョンの状況を詳細に把握できます。

さらに、コンバージョンイベントの設定やファネル分析を行うことで、ユーザーの行動を可視化し、改善点を特定できます。また、GA4の予測指標やBigQueryとの連携により、より高度な分析が可能です。

継続的なデータ分析とA/Bテストを実施しながら、流入経路やユーザー行動を最適化することで、CVRを効果的に向上させましょう。

「CVR改善をしたい。でも、
どこから手をつければいいか分からない…」という方へ

ネットで調べて、改善の考え方はなんとなく理解できた。

けれど、いざ実践しようとすると「このやり方で合っているのか？」「本当に効果が出るのか？」と、不安を感じていませんか？

CVR改善は、ターゲット分析・ページ設計・A/Bテストといった一連のプロセスを、正しい順序と手法で進めなければ効果が出ません。

むしろ、間違ったアプローチでコンバージョンを無理に高めようとすると、ユーザーの不信感を招き、かえってCVRが下がってしまうことすらあります。

そんなときは、一度CVR改善の専門家に相談するのが確実な近道です。

プロの視点で一緒に進めることで、成果につながるだけでなく、WEB担当者としてのスキルアップにもつながります。

正しいやり方を身につければ、今後は社内でも“改善のプロ”として信頼され、会議で社長や上司に「何とかしてくれ」と言われても、自信を持って改善提案ができるようになるはずです。

弊社のCVR改善サービスは、不要なツール導入は一切不要、最小コストで王道の改善アプローチを採用しているため、よりWEB担当者様のスキルとして蓄積しやすいのが特徴です。

もし少しでもCVR改善に興味がある方は、まずは無料相談から始めてみませんか？

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