ビュー スルー コンバージョン(VTC)は、広告をクリックしなくても視認したユーザーが後にコンバージョンした場合に計測される指標です。ディスプレイ広告やYouTube広告など、間接的な影響を測定するのに役立ちます。しかし、VTCを過信すると広告の評価を誤るリスクもあります。
本記事では、VTCの基本概念やクリックコンバージョン(CVC)との違い、計測方法、効果的な活用法について詳しく解説します。広告の本当の成果を正しく把握し、より効果的な広告運用を行うためのポイントをチェックしましょう。
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- 1 ビュー スルー コンバージョン(VTC)とは?基本を理解しよう
- 2 ビュースルーコンバージョンを計測する方法
- 3 ビュースルーコンバージョンを活用するメリットと課題
- 4 ビュースルーコンバージョンを活かす戦略的な使い方
- 5 ビュースルーコンバージョンの活用事例
- 6 まとめ
ビュー スルー コンバージョン(VTC)とは?基本を理解しよう
ウェブ広告の効果を測定する際、一般的に「クリックコンバージョン(CVC)」が用いられますが、それだけでは広告の本当の影響を正しく評価できないことがあります。特にディスプレイ広告や動画広告では、ユーザーが広告をクリックしなくても、その後の行動に影響を与えるケースが多く見られます。
そのため、広告をクリックしなかったユーザーの間接的な行動を評価する指標として、「ビュー スルー コンバージョン(VTC)」が活用されます。本章では、VTCの定義と仕組み、クリックコンバージョン(CVC)との違いについて詳しく解説します。
ビュースルーコンバージョンの定義と仕組み
ビュースルーコンバージョン(VTC)とは?
ビュースルーコンバージョン(View Through Conversion:VTC)とは、ユーザーが広告をクリックせずに閲覧した後、一定期間内に広告主のウェブサイトでコンバージョン(購入・問い合わせ・資料請求など)を達成した場合に記録されるコンバージョンを指します。これは、特にディスプレイ広告や動画広告など、クリック率(CTR)が低い広告フォーマットの効果を測定するために重要な指標です。
VTCの計測の仕組み
VTCの計測は、以下のような仕組みで行われます。
1.ユーザーが広告を閲覧
・ユーザーがディスプレイ広告や動画広告を視認(広告が画面に表示される)
・この時点でユーザーは広告をクリックしない
2.一定期間内にサイトを訪問し、コンバージョンを達成
・広告を見た影響で、ユーザーが後日検索や直接アクセスでサイトを訪問
・商品購入・問い合わせ・資料請求などのコンバージョンを達成
3.VTCとして記録される
・設定されたアトリビューションウィンドウ(例:7日間、30日間)内で発生したコンバージョンがVTCとしてカウントされる
VTCを適切に活用することで、ディスプレイ広告や動画広告がユーザーの認知や購買意欲に与える影響を可視化できます。
ディスプレイ広告や動画広告で重要視される理由
ディスプレイ広告や動画広告は、検索広告と異なり、ユーザーの「顕在的なニーズ」に直接働きかけるものではありません。例えば、検索広告で「スマホ 購入」と検索したユーザーに広告を表示する場合、そのユーザーはすでに購入を検討している可能性が高いです。
一方で、ディスプレイ広告や動画広告は、潜在的なニーズを持つユーザーの興味を引く役割を果たします。そのため、クリック率が低くても、広告の視認が後の行動に影響を与えることが多く、VTCの計測が重要になるのです。
クリックコンバージョンとの違い
クリックコンバージョン(CVC)とは?
クリックコンバージョン(Click Through Conversion:CVC)とは、ユーザーが広告をクリックし、その後一定期間内にサイト上でコンバージョン(購入・問い合わせなど)を達成した場合にカウントされるコンバージョンです。CVCは、特に検索広告などの直接的な行動を促す広告でよく活用されます。
クリックコンバージョンとビュースルーコンバージョンの比較
指標 | 定義 | 代表的な広告フォーマット | 影響の測定方法 |
---|---|---|---|
クリックコンバージョン(CVC) | ユーザーが広告をクリックし、その後コンバージョンを達成 | 検索広告・ディスプレイ広告・SNS広告 | クリック数とコンバージョン数を直接測定 |
ビュー スルー コンバージョン(VTC) | ユーザーが広告をクリックせずに閲覧した後、一定期間内にコンバージョンを達成 | ディスプレイ広告・動画広告・SNS広告 | 広告の視認回数と間接的なコンバージョン数を測定 |
クリックコンバージョンは、ユーザーが直接広告をクリックした場合のみ計測されるため、ユーザーの「明確な意図」が反映されやすいです。一方で、ビュー スルー コンバージョンは、クリックが発生しなくても、広告が認知や購買意欲に影響を与えた可能性を評価するために重要な指標となります。
VTCを正しく理解しないと、広告評価を誤るリスク
ビュースルーコンバージョンの計測が可能だからといって、VTCの数値だけを見て広告の効果を判断するのは危険です。以下のような誤解が生じる可能性があります。
1.VTCの過大評価
・VTCの数値が高いと、広告が大きな影響を与えているように見える
・しかし、VTCの一部は「広告を見なくてもコンバージョンしていた可能性がある」
2.クリックコンバージョンとのバランスを無視
・CVCが少なく、VTCが多い場合、広告が適切にターゲットされていない可能性がある
・クリック率(CTR)が低い場合は、広告クリエイティブやターゲティングの見直しが必要
3.広告クリエイティブの誤評価
・クリック率が低くてもVTCが高い場合、広告が「目に入る」ことが重要かもしれない
・しかし、それが購買行動にどの程度影響を与えているかを慎重に分析する必要がある
ビュースルーコンバージョンを計測する方法
ビュースルーコンバージョン(VTC)は、ディスプレイ広告や動画広告の間接的な効果を測定する重要な指標です。しかし、適切な設定や分析を行わなければ、VTCのデータを正しく活用することができません。ここでは、Google広告でのVTC計測の設定方法、計測期間の決め方、そしてVTCの正確な評価方法について解説します。
Google広告でのVTC計測の設定方法
Google広告でVTCを有効にする方法
Google広告では、ビュー スルー コンバージョン(VTC)を有効にすることで、クリックせずに広告を見たユーザーが、後にコンバージョンした際のデータを記録できます。VTCを正しく計測するためには、以下の設定が必要です。
手順2:「ツールと設定」→「コンバージョン」へ移動
手順3:新しいコンバージョンアクションを作成
手順4:「コンバージョンのソース」を選択(ウェブサイト、アプリ、電話など)
手順5:「ビュー スルー コンバージョンを含める」にチェックを入れる
手順6:アトリビューション期間(計測ウィンドウ)を設定
手順7:トラッキングタグを正しく実装
計測するための設定(コンバージョンアクションの選択)
VTCの計測では、「コンバージョンアクション」の設定が重要です。Google広告では、以下のコンバージョンアクションを指定できます。
・リード(問い合わせ・資料請求)
・アプリインストール
・電話発信
・ニュースレター登録
VTCの有効性を正しく判断するためには、広告の目的に合ったコンバージョンアクションを選択することが重要です。
広告の種類ごとのVTC計測のポイント
Google広告では、広告の種類によってVTCの計測が異なります。特に以下の広告フォーマットでは、VTCの影響が大きくなります。
ディスプレイ広告(Google ディスプレイネットワーク・GDN)
・クリック率(CTR)は低いが、認知拡大に効果的
・画像や動画でブランドを印象付け、後の検索行動につなげる
・VTCを活用して、広告の影響を正しく評価することが重要
YouTube広告(TrueView・インストリーム広告)
・ユーザーは広告をクリックしなくても視聴する
・5秒間スキップできない広告と、スキップ可能な広告のVTCの違いを分析
・ブランドリフトと組み合わせると、VTCの影響がより明確になる
VTCを計測することで、ディスプレイ広告やYouTube広告がクリックされなくても、ユーザーの行動に影響を与えているかを判断することができます。
ビュースルーコンバージョンの計測期間(アトリビューションウィンドウ)
VTCの計測期間は何日間が適切か?
VTCの計測期間は何日間が適切か?
ビュースルーコンバージョン(VTC)は、ユーザーが広告を視認した後、一定期間内に発生したコンバージョンを計測します。この期間を「アトリビューションウィンドウ」と呼びます。
一般的に、VTCの計測期間は 1日~30日間に設定できますが、広告の種類や業界によって適切な期間が異なります。
業界・商材 | 推奨アトリビューション期間 |
---|---|
日用品・低単価商品 | 1~7日間 |
アパレル・家電 | 7~14日間 |
SaaS・BtoB商材 | 14~30日間 |
高額商品(車・不動産など) | 30日間以上 |
Google広告・Facebook広告での計測ウィンドウの違い
広告プラットフォームごとに、デフォルトのアトリビューションウィンドウが異なります。
広告プラットフォーム | デフォルトのVTC計測期間 |
---|---|
Google広告 | 1~30日間(設定可能) |
Facebook広告 | 1~7日間(デフォルト1日) |
Twitter広告 | 1~14日間 |
LinkedIn広告 | 1~30日間 |
Google広告では、30日間までVTCを計測できますが、Facebook広告では1日~7日間の計測が基本となります。そのため、プラットフォームごとに適切な計測期間を設定し、データのズレを考慮することが重要です。
短期間と長期間でのVTCの影響分析
短期間(1~7日間)
・即時購入や申し込みが期待される商材に適している
・例:「期間限定セール」「今すぐ登録キャンペーン」
長期間(14~30日間)
・検討期間が長い商材に適している
・例:「BtoB SaaS」「高額商品の購入」「不動産・自動車」
業界や商材の特性を考慮し、適切なアトリビューションウィンドウを設定することが重要です。
ビュースルーコンバージョンの正確な評価方法
VTCを正しく評価するためのポイント
VTCは間接的なコンバージョンを測定する指標ですが、単体で評価するのではなく、他の指標と組み合わせて分析する必要があります。
評価のポイント
・VTCとCVCの割合を比較し、どの程度間接的な影響を与えているかを判断
・CVCが低く、VTCが高い場合は「ブランド認知向上には寄与しているが、クリックされていない」可能性がある
2.広告費用対効果(ROAS・CPA)の確認
・VTCを含めたコンバージョンを加味し、広告の費用対効果を分析
・クリックコンバージョンのみでROASが悪い場合でも、VTCを考慮すると実際の広告効果が見えてくる
3.ブランドリフト調査との併用
・ユーザーが広告を見た後、ブランド認知が向上したかを調査
・Google・Facebook広告では「ブランドリフト調査」を利用できる
他の指標(CVC・ROAS・CPA)と組み合わせた分析方法
指標 | 評価ポイント |
---|---|
CVC(クリックコンバージョン) | 直接的な成果を測定 |
VTC(ビュー スルー コンバージョン) | 間接的な広告効果を測定 |
ROAS(広告費用対効果) | 総合的な広告収益性を判断 |
CPA(獲得単価) | クリック・ビューを含めた獲得コストを分析 |
VTCを適切に活用することで、ディスプレイ広告や動画広告の効果を正確に測定し、広告戦略を最適化することができます。
ビュースルーコンバージョンを活用するメリットと課題
ビュースルーコンバージョン(VTC)は、クリックされなくても広告の影響を測定できるため、ディスプレイ広告や動画広告の評価を行う上で重要な指標です。しかし、VTCにはメリットだけでなく、過信することで生じるリスクもあります。ここでは、VTCを活用するメリットと、過信する際の注意点について詳しく解説します。
VTCを活用するメリット
① ディスプレイ広告・動画広告の間接効果を評価できる
ディスプレイ広告や動画広告は、ユーザーの購買意欲を高める「認知向上」の役割が大きいため、クリック率(CTR)だけでは広告の真の効果を測定しにくいです。VTCを計測することで、広告をクリックせずに視認したユーザーが後でコンバージョンに至ったかを把握できます。これにより、ディスプレイ広告やYouTube広告の間接的な効果を正確に評価できるようになります。
例えば、ECサイトで「ディスプレイ広告経由のクリックコンバージョンが少ない」と判断し、広告の停止を検討することがあります。しかし、VTCを計測すると「クリックされなくても、広告を見たユーザーが後日Google検索や直接アクセスで購入している」というケースが確認できることがあります。これにより、広告がユーザーの購買行動に与えている影響を正しく把握できます。
② クリックされなくても広告接触の影響を可視化
VTCを活用すると、広告をクリックしなかったユーザーが、その後どの程度コンバージョンしているかを把握できます。特に、以下のようなケースで役立ちます。
・広告を視認したことでブランド認知が向上し、後日購入を決断
・過去に商品を検討していたユーザーが広告を見て思い出し、再訪問してコンバージョン
このように、VTCを測定することで「広告が間接的に購買行動を促進した」と判断できるため、広告の役割をより明確に理解できるようになります。
③ ブランド認知やリターゲティング戦略の最適化に貢献
VTCは、ブランド認知の向上やリターゲティング(リマーケティング)の戦略を最適化する際に役立ちます。
例えば、以下のような広告戦略を最適化できます。
リターゲティング広告の最適化
VTCを活用すると「どの広告が最も認知を高め、後のコンバージョンにつながっているか」を分析できるため、効果の高い広告クリエイティブやターゲティング設定を見直すことが可能です。
ブランド認知向上の評価
クリックコンバージョンだけを指標にすると、ブランド認知を目的としたディスプレイ広告やYouTube広告の評価が困難になります。しかし、VTCを加味することで、広告の「潜在的な影響」も考慮できるようになります。
このように、VTCを活用することで、単なるクリック数だけでは測れない広告の間接効果を明らかにし、広告戦略全体の最適化につなげることができます。
ビュースルーコンバージョンを過信するリスク
VTCは広告評価の重要な指標の一つですが、過信すると広告の費用対効果(ROI)を誤って評価してしまうリスクがあります。以下のポイントに注意しながら、慎重にVTCを活用しましょう。
① VTCを過大評価すると広告のROIを見誤る可能性
VTCを過大評価すると、実際には広告の影響が少ないにも関わらず「広告がコンバージョンを生み出している」と誤解するリスクがあります。特に、以下のケースではVTCの解釈に注意が必要です。
・ブランド名検索で訪れたユーザーが偶然広告を視認し、その後コンバージョンした
・広告がなくてもコンバージョンした可能性があるユーザーをVTCとしてカウントしている
例えば、ECサイトでVTCが高い場合でも、そのユーザーが元々商品を購入するつもりだった可能性があります。広告がコンバージョンに本当に影響を与えたのかを検証するためには、クリックコンバージョン(CVC)や他の指標と組み合わせた分析が必要になります。
② 「偶然コンバージョンした」ケースとの見極め方
VTCを評価する際には、「偶然コンバージョンしたユーザー」と「広告が影響を与えてコンバージョンしたユーザー」を区別する必要があります。
これを見極める方法として、以下のようなアプローチが有効です。
・ブランドリフト調査を実施する
広告接触後のブランド認知度や購入意向を調査することで、広告の影響を正しく評価できます。
・広告を見たユーザーと見ていないユーザーを比較する
Google広告やFacebook広告では、広告を視認したユーザー群と、広告を表示しなかったコントロールグループを比較することで、VTCの影響をより正確に測定できます。
・VTCの比率をチェックする
クリックコンバージョン(CVC)とVTCの比率を比較し、VTCの割合が極端に高い場合は、広告の影響を慎重に評価する必要があります。
③ クリックコンバージョンとのバランスを考慮した評価が必要
VTCはあくまで間接効果の指標であり、クリックコンバージョン(CVC)と組み合わせて分析することが重要です。例えば、VTCが高くてもCVCが低すぎる場合、「広告クリエイティブが弱い」「ターゲティングが適切でない」といった問題が考えられます。
評価のポイント | VTCが高い場合の解釈 | VTCが低い場合の解釈 |
---|---|---|
クリックコンバージョンが高い | 広告の直接的・間接的効果が高い | クリックが発生しているためVTCの影響は少ない |
クリックコンバージョンが低い | 認知には貢献しているが、クリックにつながっていない可能性 | 広告の影響がそもそも弱い |
このように、VTCは広告の評価を補完するための指標であり、単独での判断ではなく、CVCや他の指標と組み合わせて総合的に評価することが重要です。
ビュースルーコンバージョンを活かす戦略的な使い方
ビュースルーコンバージョン(VTC)は、クリックされなくても広告の効果を測定できる指標ですが、その活用方法によって広告の成果は大きく変わります。適切な広告施策でVTCを最大限に活用し、他の指標と組み合わせた分析を行うことで、広告の本当の効果を引き出すことができます。ここでは、VTCを効果的に活用するための戦略を紹介します。
VTCが効果を発揮しやすい広告施策
VTCは、特に認知向上型の広告やリマーケティング施策で有効に機能します。以下の広告施策では、VTCの活用が特に重要になります。
① ディスプレイ広告(Google Display Network)の活用
Google Display Network(GDN)の広告は、検索広告と異なり「潜在顧客へのアプローチ」が可能です。特に、リターゲティング広告として活用することで、過去にサイトを訪れたもののコンバージョンに至らなかったユーザーに再アプローチできます。
効果的な施策例
・VTCの計測結果を元に、認知度向上とCV促進のバランスを最適化
・クリックコンバージョンが少なくても、VTCを指標として広告効果を評価
② YouTube広告のリマーケティング戦略
YouTube広告では、動画広告を視聴したユーザーの「ブランド想起」や「興味関心の高まり」が期待されます。特に、スキップ可能なインストリーム広告やバンパー広告(6秒広告)はVTCを測定しやすい形式です。
効果的な施策例
・商品やサービスの魅力を伝える動画を配信し、VTCを計測
・YouTube広告を見たユーザーの再訪問率やコンバージョン率を分析し、最適な広告戦略を策定
③ Facebook・Instagram広告の認知向上施策
FacebookやInstagramのフィード広告、ストーリーズ広告は、視認性が高く、ブランド認知向上に適しています。しかし、これらの広告は必ずしもクリックされるわけではないため、VTCを活用して広告効果を測定することが重要です。
効果的な施策例
・VTCデータを活用して、どのクリエイティブが最も間接的な影響を与えているかを分析
・クリック率(CTR)とVTCを比較し、広告のクリエイティブ改善に活用
VTCを活用する際の分析ポイント
VTCを効果的に活用するためには、他の指標と組み合わせた分析が不可欠です。以下のポイントを考慮して、VTCの正しい評価を行いましょう。
① VTCとクリックコンバージョンの比率を比較する
VTCが高い広告は、ブランド認知には貢献しているものの、実際にコンバージョンを促しているとは限りません。クリックコンバージョン(CVC)とのバランスを考慮し、適切な評価を行うことが重要です。
分析のポイント
・クリックコンバージョンが低すぎる場合、クリエイティブや訴求内容を改善する必要がある
・VTCとCVCの比率を定期的にチェックし、最適な広告運用を行う
② ターゲット層ごとにVTCの影響を分析
VTCは、ターゲット層によって影響の大きさが異なります。例えば、新規ユーザーとリピーターではVTCの影響度が異なるため、ターゲットごとにVTCを分析することが重要です。
分析のポイント
・過去に広告を見たユーザーの行動をトラッキングし、どの段階でコンバージョンしたのかを分析
・ターゲットごとにVTCの影響を評価し、広告配信の最適化を図る
③ A/Bテストを活用し、VTCの効果を可視化
VTCの効果を正確に把握するためには、A/Bテストを活用して、広告のクリエイティブやターゲティングを比較検証することが有効です。
A/Bテストの実施例
・各パターンのVTCとCVCを比較し、どちらの広告が間接的なコンバージョンに貢献しているかを分析
・クリエイティブやターゲティングの最適化に活用
VTCと他の指標を組み合わせた総合的な評価方法
VTCだけを単独で評価するのではなく、他の指標と組み合わせて総合的に広告効果を判断することが重要です。
① クリック率(CTR)・コンバージョン率(CVR)との相関を分析
VTCが高くてもCTRやCVRが低い場合、広告のターゲティングやクリエイティブの改善が必要になる可能性があります。
分析のポイント
・CVRが低い場合 → 広告を見た後のコンバージョン誘導が弱い
② ROAS(広告費回収率)とVTCを比較し、広告の効果を判断
VTCは「間接的な広告効果」を示す指標ですが、最終的には売上や利益(ROAS)とのバランスを考慮する必要があります。
分析のポイント
・ROASが低い場合は、広告のターゲティングやクリエイティブを見直す
③ 「VTCが高い広告」と「CVRが高い広告」のバランスを取る
VTCが高い広告を増やしすぎると、クリックコンバージョンが減り、広告のROIが低下する可能性があります。そのため、「VTCが高い広告」と「CVRが高い広告」のバランスを適切に管理することが重要です。
ビュースルーコンバージョンの活用事例
ビュー スルー コンバージョン(VTC)は、クリックされなくても広告がユーザーの意思決定に影響を与えることを示す重要な指標です。特にディスプレイ広告、YouTube広告、SNS広告では、VTCを活用することで広告の間接的な効果を正しく評価し、広告運用の最適化につなげることができます。ここでは、VTCを活用して広告効果を向上させた具体的な事例を紹介します。
事例①:ディスプレイ広告のVTC活用で売上向上
クリック率が低い広告でもVTCを分析することで、間接的な効果を確認
あるECサイトでは、ディスプレイ広告を活用して商品の認知拡大を図っていました。しかし、広告のクリック率(CTR)は平均0.3%と低く、直接的なコンバージョン数も伸び悩んでいました。当初は広告の効果が限定的と判断されていましたが、VTCを分析したところ、広告を見たユーザーの間接的な購入が多いことが判明しました。
分析の結果
・ビュースルーコンバージョン(VTC):450件
・総コンバージョンの約75%がVTC経由
施策と結果
VTCが高いことを受け、ディスプレイ広告の訴求内容を見直し、リマーケティングを強化した結果、CTRは0.3%から0.6%に向上。さらにVTC経由のコンバージョンも増加し、最終的な売上が約30%向上しました。
事例②:YouTube広告のVTC分析でブランドリフトを実証
YouTube広告を活用し、VTCを軸にした広告効果の評価事例
YouTube広告は直接クリックされることが少ないため、VTCの分析が特に重要です。あるBtoB企業がYouTube広告を用いて新サービスの認知度向上を狙ったキャンペーンを実施しました。広告のクリック率はわずか0.1%だったものの、VTC経由のコンバージョン数が多く、広告の間接的な効果が確認されました。
分析の結果
・ビュースルーコンバージョン(VTC):300件
・広告視認時間とVTCに強い相関があることが判明
広告の視認時間とVTCの関係を分析
YouTube広告の視認時間別にVTCを分析したところ、以下のような結果が得られました。
視認時間 | VTC率 |
---|---|
5秒未満 | 5% |
5〜15秒 | 18% |
15秒以上 | 42% |
視認時間が長いほどVTCが増加する傾向があり、広告のメッセージをしっかり伝えられた場合にVTCが高くなることがわかりました。これを踏まえ、短尺動画を15秒以上の尺に変更し、ブランド訴求を強化した結果、VTC率がさらに向上し、最終的なコンバージョン数も35%増加しました。
事例③:SNS広告(Facebook・Instagram)でのVTC最適化
SNS広告でVTCがどのように影響を与えたかを分析
SNS広告はユーザーが「流し見」することが多く、クリック率が低い傾向にあります。しかし、視覚的に魅力的なクリエイティブを作成し、VTCを考慮した最適化を行うことで広告効果を向上させることが可能です。
あるD2Cブランドでは、Instagramのストーリーズ広告を配信しましたが、CTRは0.5%と低く、直接コンバージョンは伸びませんでした。しかし、VTCを分析すると、広告を見たユーザーの約60%が数日以内にサイトを訪問していたことが判明しました。
VTCを活用した施策
・「保存」促進のCTAを追加:すぐにクリックしないユーザーが後で戻ってくるように、「後でチェックする」ボタンを設置
・ストーリーズ広告のビジュアル最適化:ブランドカラーを活かしつつ、訴求ポイントを強調
この施策により、VTCからのコンバージョン率が20%向上し、最終的な売上も25%増加しました。
まとめ
ビュースルーコンバージョン(VTC)は、広告をクリックせずに見ただけのユーザーが後にコンバージョンしたことを測定する指標です。クリックコンバージョン(CVC)とは異なり、ディスプレイ広告やYouTube広告などの間接的な効果を可視化する役割を持ちます。
VTCを正しく活用するには、計測期間(アトリビューションウィンドウ)を適切に設定し、クリックコンバージョンとの比率を分析することが重要です。また、A/Bテストやブランドリフト調査と組み合わせることで、広告の本当の影響をより正確に評価できます。
VTCを過信せず、クリックコンバージョンや他の指標と併せて総合的に分析することが、効果的な広告運用につながります。
どこから手をつければいいか分からない…」という方へ
ネットで調べて、改善の考え方はなんとなく理解できた。
けれど、いざ実践しようとすると「このやり方で合っているのか?」「本当に効果が出るのか?」と、不安を感じていませんか?
CVR改善は、ターゲット分析・ページ設計・A/Bテストといった一連のプロセスを、正しい順序と手法で進めなければ効果が出ません。
むしろ、間違ったアプローチでコンバージョンを無理に高めようとすると、ユーザーの不信感を招き、かえってCVRが下がってしまうことすらあります。
そんなときは、一度CVR改善の専門家に相談するのが確実な近道です。
プロの視点で一緒に進めることで、成果につながるだけでなく、WEB担当者としてのスキルアップにもつながります。
正しいやり方を身につければ、今後は社内でも“改善のプロ”として信頼され、会議で社長や上司に「何とかしてくれ」と言われても、自信を持って改善提案ができるようになるはずです。
弊社のCVR改善サービスは、不要なツール導入は一切不要、最小コストで王道の改善アプローチを採用しているため、よりWEB担当者様のスキルとして蓄積しやすいのが特徴です。
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